『シン・エヴァンゲリオン劇場版』にて、「エヴァ」シリーズの真実と新たな謎を語った「渚カヲル」をピックアップします。
「渚司令」という名前、作中に登場した「生命の書」の作用と意味、加持との関係や反ネルフ組織「ヴィレ」設立の真相など、渚カヲルと加持リョウジの関係性についても探っていきます。
「渚司令」はヴィレ側だったのか?
渚カヲルは『シン・エヴァンゲリオン劇場版』にて再登場を遂げました。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』でエヴァ第13号機のエントリープラグ内で絶命したため、彼の魂が第13号機に取り込まれたのでしょう。それにしても「渚司令」が謎です。
「ゴルゴダオブジェクト」によって現実と虚構が接続され、各人の記憶に基づいて世界が描かれてゆくマイナス宇宙内にて、カヲル自身の記憶が呼び寄せた加持がカヲルに対して言ったのが「渚司令」でした。その名前を聞いた瞬間に渚カヲルがヴィレの司令だったんだと思いました。ちなみに、渚カヲルは加持さんのことをリョウちゃんと呼んでいます。
2009年の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の劇場公開時に上映され、シンジが目覚めるまでの「空白の14年間」を描いているとされる『Q』の予告にて、ゲンドウの着ていた司令服をカヲルが身に着けていたことから、カヲルはネルフの司令代理なのではないかと言われていました。
そして、その仮説とともに『Q』以降のミサトはヴィレの艦長、加持さんも司令とは呼ばれていなかったため、カヲルがヴィレの司令なのではないかとも言われていました。
2つの仮説は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で登場した「渚司令」と呼ばれたことでさらに分かりにくくなりました。「空白の14年間」におけるカヲルと加持さんがつながっていたことは確かなので、「カヲル=ネルフ司令代理→ヴィレ司令」というのが有力説です。
渚カヲルの渚の意味
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の作中で加持さんはカヲルの「渚」という名字を言及しています。
加持さんは「渚とは、海と陸の狭間。第1使徒であり第13の使徒となる、人類の狭間をつなぐあなたらしい名前だ。」と語っています。
加持さんのセリフの中にある「人類」は、アダムから生まれた人類アダムスとリリスから生まれた人類リリン、あるいは人類補完計画を遂行せんとするネルフとそれを拒むヴィレという、2つの視点からとらえた互いの存亡をかけて対立する人類を指しているのでしょう。
テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』では、ゼーレによって送り込まれた第17使徒ダブリスとして登場し、シンジとの接触を果たし、後に敵対関係になっていましたが、新劇場版では共闘関係になっています。
新劇場版でのカヲルは「幸せ」というワードをよく使っており、「シンジを幸せにする」ことを目的としていましたが、それは旧エヴァで自らを殺させてしまったシンジに対する償いともいえるのではないでしょうか。
シンジに対するヴィレメンバーの反応や目つきを見ると、シンジの望む幸せとは明らかに違うのではないか、とも感じましたが、そのあたりも渚カヲルの狙いだったのでしょうか。気になるところです。
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